バリアフリー化するべき場所はどこ?
住宅において、バリアフリー化を導入すべき場所や設備はどのようなものでしょうか。
大まかには、引き戸、手すり、滑り止め、スロープといった4つのポイントが挙げられます。
まず戸については、開き戸を引き戸に交換するのがおすすめです。
足腰が弱った高齢者の方にとって、ノブを握って前後に開け閉めするという行動は、体が健康な人にとっては想像もできないほどの負荷がかかります。
仮に車いすとなると、開け閉めのたびに車いすの位置をずらす必要があるため、より大きな負担になってしまいがちです。
また、扉を閉める時に誤って手足を挟んでしまうリスクもあるので、できれば開き戸のままにしておくのは、避けたいところです!
他にも、手すりの有用性については、比較的イメージしやすいのではないでしょうか。
足腰の弱った方がバランスを崩し、転倒してしまう原因になりがちな段差や傾斜に手すりがあれば、安定して歩くことができるでしょう。
また、どんな場所にも言えることですが、足元を滑らせるのは、バリアフリーにおいての大きな懸念点です。
タイルなどの滑りやすい質感の床であったり、滑った際に大きなケガにつながりやすい階段などには、ぜひ滑り止めを設けておきましょう!
滑り止めを設置していれば、雨で床が濡れて滑りやすいような日でも、大きな手助けになってくれること間違いなしです。
手すりがあると、いざ足元がふらついてしまった際に、踏みとどまるための補助となってくれるでしょう。
そしてもう1つ、段差に足を取られてしまうリスクを減らすためには、スロープの設置も有効な手段です!
スロープを設置できる場所は、ある程度限られますが、玄関や外構の危険を軽減するためには、段差をスロープに置き換えるのが非常に有効だと言えるでしょう。
もちろん、車いすを利用している場合も、スロープは大いに利便性を高めてくれますので、非常に有効なバリアフリーリフォームの1つといえるのです!
スライディングドア | スロープ |
費用はどれくらいかかるの?
リフォームを検討する際に気になるのが、バリアフリーリフォームの費用です。
インターネットなどでバリアフリーリフォームの相場を検索すると、数百万円といった高額の費用が出てくるケースが少なくありません。
しかし、それはあくまで家全体を造り変えるような、大規模なリフォームの例です。
もちろん、場所やご自宅の造りにもよるため、一概には言い切れませんが、手すりやスロープといった小規模なリフォームであれば、10万円以下で行うことも可能です!
また、ご高齢の方や介護が必要な方のニーズは多種多様です。
そのため、健康上不安な部分の対策に絞って効果的なバリアフリー化を行えば、費用は安価に抑えられるでしょう!また、費用面において知っておきたいのが、介護保険とそれに伴う補助金制度です。
介護保険には、バリアフリーリフォーム補助金という制度が付随しており、要支援、ある
いは要介護1~5と認定されている方の住宅を改装する場合のみ、この制度を利用できます。上限は20万円までですが、リフォームにかかる費用のうち9割が、介護保険から支給されるという仕組みです。
これを適切に利用することで、負担を軽減しながら、バリアフリーリフォームを行うことができるでしょう。
バリアフリーにするメリットは?
バリアフリー化するリフォームには、どんなメリットがあるのでしょうか。
冒頭部で述べたように、被介護者の暮らしやすさの確保、介護者の負担の軽減、将来を見据えた居住性の向上などは、最もわかりやすいバリアフリー化のメリットと言えるでしょう。
そして、それに伴う大きなメリットとして着目したいのが、健康寿命が伸びるという点です!
社会全体の高齢化が進
む近年では、死を迎えるまでの寿命とは別に、ある程度自由かつ健康に生きられる期間を健康寿命と呼び、それを延ばしていく考え方が重視されています。
住宅をバリアフリ
ー化することで、介護する側とされる側、双方の負担を減らし、元気なままで生きられる時期を延ばすことが可能です!
高齢になってくると、怪我の治りも遅くなってくるでしょう。
転倒したことによる骨折などで一度足腰を痛めてしまうと、日常的な歩行が難しくなり、一気に老け込んでしまったというケースも多いです。
そんな事態を未然に防ぐことができる点も、住宅のバリアフリー化の大きなメリットの1つと言えるでしょう!
まとめ
今回は、住宅のバリアフリーリフォームについて、お伝えさせていただきました。
バリアフリーリフォームを行うべき場所やメリットを把握しておくことで、より効果的なリフォームを実現することが可能です!
要介護の方と同居していない限り、バリアフリーリフォームについて考える機会は、あまり多くないかもしれません。
しかし、ある程度の年齢に達してからのバリアフリーリフォームは、自身の健康寿命を守っていくための投資とも考えられます!
そのため、要介護になってから対策を行うのではなく、事前にバリアフリーリフォームについて検討しておくことも、これからの時代には大切なのかもしれません。