配管凍結時の解決法と凍結対策について
エコキュートとは?
最近、エコキュートを使うご家庭が増えています。給湯器は一般的にガスを使うことが多いですが、エコキュートとは、ヒートポンプ式の電気給湯機のことで、空気の熱を使って、お湯を沸かします(ヒートポンプは大気中などの熱を集めて、大きな熱エネルギーとして使う技術です)。冷媒として、フロンではなく二酸化炭素を使っているため、環境にもよく、一般的にはオール電化住宅で使われることが多いです。エコキュートは、電力会社ではなく、三菱やパナソニック、ダイキンなどのメーカーが製造、販売しているので、念のため頭に入れておいてください。
エコキュートにはメリットが多いですが、一番のメリットは電気代を節約できる点です。電気代が安い深夜の時間帯の電力を使用するので、電気代が安くできることから、省エネ住宅などで採用され、太陽光発電と組み合わせることも多いです。また、沸かしたお湯はタンクに貯まっているので、断水や停電が起きた場合に、タンクの水を非常用水として使うことができます。最近は震災や洪水、台風などの影響で、採用を検討する人も多いです。また、自治体によってはエコキュートを設置する際に、補助金が出ることがあるので、チェックしてください。
一方で、エコキュートにはデメリットもあります。確かに、電気代は節約できますが、設置費用はどうしても高くなってしまいます。エコキュートの値段はメーカーやタイプ、タンクの容量などによりますが、売れ筋は370~460Lの20万円前後の商品です。なかには10万円台の商品もありますが、追い炊き機能がついていないこともあります。また、耐塩害仕様や寒冷地仕様の商品もあり、高いものでは40万円以上しますし、工事費もかかります。エコキュートの寿命は10~15年程度ですので、機能を確認の上、予算も考えるようにしてください。他のデメリットとしては、屋外には大きな給湯機とヒートポンプユニットがつく点があげられます。あまり外観に影響がないところ、また、エコキュートが稼働するときは音が出るので、業者と相談して、隣の家に迷惑がかからないところに設置するようにしましょう。
確かに、設置費用は高いですが、10年使うと考えると、十分に元は取れますし、太陽光発電などと併用することで、さらに省エネ効果は上がります。
冬場に多いエコキュートのトラブルの事例
エコキュートはとても便利なシステムで、特に、冬場には力を発揮します。しかし、夏場に比べて、冬場はどうしてもお湯を沸かすのに、負荷がかかってしまうため、トラブルも発生しやすくなってしまいます。実際、メーカーや電気屋などによせられる相談は冬のほうが圧倒的に多いです。
冬場に多いエコキュートのトラブルの事例としては、配管の凍結による断水トラブルがあります。これは外気温が氷点下になったときなどに、給水・給湯配管・ふろ配管などが凍結して起こるもので、
1.お湯が出ない
2.お湯も水も出ない
3.お風呂のお湯はりができない
4.エラーが出てしまう(断水・配管不良など)
などがあげられます。
特に、古いエコキュートでは配管が凍結してしまうと、破損することもあるので、注意が必要です。
配管凍結時の解決法と凍結対策
凍結時の対処法
1.自然にとけるのを待つ
そのまま時間がたち、外気温が暖かくなれば、凍結していたのがそのまま自然解凍します。しかし、外気温が氷点下のままですと凍ったままになったり、とけたとしても昼過ぎになったりすることも多いです。また、とけた後は水漏れがないか、確認する必要があります。
2.配管にぬるま湯をかける
自然解凍できない場合は、10~20℃の水、またはぬるま湯をかけて、ゆっくりとかしていきましょう。熱いお湯をかけてしまうと、配管が壊れてしまうので、低い温度でゆっくりとかすようにしてください。
しかし、配管が凍結してしまっては不便ですし、手間もかかるので、凍結対策をとるようにしましょう。
凍結防止対策
1.ふろの配管の凍結予防は、夜はお風呂のお湯や水をためたままにする
夜お風呂に入ったら、栓を抜かずにお湯を残したままにしておきます。循環口の中心から10㎝以上のところまで入れておくようにしましょう。
2.給水・給湯配管の凍結予防は、夜、水を出しっぱなしにする
給湯栓を少し開き、1分間に200~400ml程度の水が出るようにして、お湯側の蛇口を開けておきます。各メーカーやエコキュートの種類でやり方や温度の設定、水の量などは異なるので、細かい点はメーカーの説明書などで、確認してください。
3.配管にカバーや凍結防止ヒーターをつける
一番のおすすめは配管が凍結しないように外側にカバーや凍結防止ヒーターをつけることです。凍結防止用の厚みのある配管カバーや保温材は比較的安い値段から売っています。DIYで自分でも簡単に取り付けられますが、配管の上にカバーをかぶせるので、配管の大きさを確認してから購入するようにしてください。しかし、これでも万全とは言えません。そこで、凍結対策として一番おすすめできるのが凍結防止ヒーターです。凍結防止ヒーターは凍結防止帯とも呼ばれ、給湯配管、給水配管の周りに、電熱帯を巻きつけ、その上から保温テープを巻いて、電気で電熱帯を温めます。凍結防止ヒーターにはサーモスタットがついていて自動で凍結を防止するので、楽です。また、ホームセンターでも売っていますし、ネットでも購入できます。安いものは2,000円程度からありますが、省エネタイプは10,000円を超え、種類も多く、長さも違うので、必ず確認してから購入してください。また、施工方法もきちんと説明書を確認するようにしましょう。
まとめ
冬場に多いエコキュートのトラブルについて解説してきました。電気代が節約でき、停電時や断水時にも役立つエコキュートですが、配管凍結でお湯が出なくなっては意味がありません。配管凍結時の対処法を頭に入れ、凍結防止ヒーターで凍結を予防することで、また、安心して使うことができるでしょう。