ヒートショックとは?
ヒートショックとは、よく聞く言葉ですが、
「急激な温度差」による血圧の急変動で、体に負担がかかることです。
どのように危ないかというと…
温かいリビングから、寒い脱衣室へ入る〔血圧上昇〕
↓
熱いお風呂に入る〔さらに血圧上昇〕※心臓への負担
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しばらく湯船につかる〔血圧低下〕※浴室内熱中症の可能性
↓
浴槽から出る〔さらに血圧低下〕※立ちくらみによる失神の可能性
上記のような血圧変動により、浴槽内で失神・溺死されるというケースが多いそうです。
ヒートショックは交通事故より怖い?
家庭内の浴槽で亡くなられた方の数は2016年を境に、交通事故死者数を超え、年々増加の傾向にあります。その半数は12月〜2月に起きており、冬は特に注意が必要です。
富山県では、2020年に浴槽内で亡くなられた方は113名。同年の交通事故死者数が26名なので、交通事故の4倍以上の数の方が主にヒートショックで亡くなられていることになります。
この比率は全国では2倍強なので、富山県では特に、寒い冬の寒い浴室の危険度が高いということになります。
浴室での事故を防ぐ6つの対策
政府広報オンラインによる、浴室での事故を防ぐ対策は以下の6つです。
1. 入浴前に脱衣室や浴室をあたためておく
2. 湯温は41度以下、お湯につかる時間は10分までを目安にする
3. 浴槽から急に立ち上がらない
4. 食後すぐの入浴や、飲酒後、医薬品服用後の入浴は避ける
5. お風呂に入る前に、同居する家族にひと声かける
6. 家族は入浴中の高齢者の動向に注意する
上記のほか「いきなり湯船に入らない」ことも大事です。
どれも今日からすぐにできることばかり。ぜひ心がけたいですね。
ヒートショックの予防に効果的なリフォームとは
ヒートショックの予防には、家の中の温度差を小さくすることが大切です。
お風呂が寒い家は、家全体の断熱材も少ないと考えられますので、家全体の断熱リフォームがやはり効果的。難しい場合は、脱衣室と浴室だけでも断熱リフォームされると、居室との温度差を軽減できます。解体を含む大規模リフォームはかかる費用も比較的大きいため、リフォームアドバイザーと相談し予算と居住予定年数を踏まえてプランニングするといいでしょう。
断熱リフォームの規模と費用感は、上から順に大きくなります。
▼壁・屋根・床下の断熱
壁などを解体し柱の間などに断熱材を詰める「内断熱」と、建物の躯体と外装材の間に断熱材を貼り付ける「外断熱」があります。外断熱の方が結露を抑える効果が高く、施工費もやや高めです。また、高性能塗料を使った“塗る断熱”工法もあります。
▼浴室・脱衣室リフォーム
居室との温度差が特に大きいタイル貼りのお風呂から最新式のユニットバスに変えると、快適さは格段に上がります。
特におすすめなのは、浴槽だけでなく浴室・脱衣室もまるごと保温材で包んだ高気密高断熱のシステムバスです。
▼窓・玄関の断熱
窓や玄関などの開口部が、室内の寒さの大きな原因となっていますので、これらを断熱ドアや断熱サッシに変えることで、温度差の解消に繋がります。躯体を解体する必要のないカバー工法であれば、工期・費用ともに最小限に抑えられる断熱リフォームです。
まとめ
「もっと早くやればよかった」との声が多い断熱リフォームは、ヒートショックの予防はもちろん、結露による家の劣化も抑えるメリットがあり、快適性と耐久性をの向上を兼ねたリフォームです。
リラックス空間であるはずのお風呂が生命に関わるのは、とても怖いことです。家の中の事故をなくし、安心・安全に過ごせる場所にするためにも、原因を知り、対策をしっかりととっていきましょう。