空き家管理の問題点とは
管理していく上で生じる問題点
所有者が亡くなった場合、空き家をはじめとする不動産を管理する責任は、相続の権利がある人間全員で共有すると、定められています。
空き家の相続権は、決して単純なメリットとなるものではなく、管理に不備があって周りに損害を与えてしまった場合は、責任が生じるというデメリットがあるのです。
例えば、老朽化して脆くなっている家の屋根瓦が強風で飛ばされて人にケガをさせてしまったり
、物を壊してしまった場合は、家を相続した人々に責任があります。
今現在そこに住んでいない場合、あるいは、一度も住んだことがないという場合であっても、責任を負う必要があるのです。
そのため、空き家を放置することが原因で不慮のトラブルに巻き
込まれないためにも、適切な空き家管理は必要不可欠です!
管理や維持を行うために必要な予算
具体的な額は、家と土地の面積などによって異なりますが、空き家の維持費で必ずかかるのは固定資産税です。
土地と建物の固定資産税評価額に対して、1.4%というのが、定められている税率ですが、家が建っている土地の固定資産税には、住宅用地の特例が適応されます。
小規模住宅用地の特例は、土地の面積の200㎡以下の部分は、評価額が課税標準×1/6となるというもの。
また、一般住宅用地の特例は土地の面積の200㎡以上の部分は、評価額が課税標準×1/3とされています。
他にも、空き家を管理するために通う頻度によっては、電気と水道を通したままにしておく必要があります。
さらに、管理するために通う交通費や雑費を上乗せして考えると、場合によっては年間に30万ほど費用が掛かってしまうケースも少なくありません!
「空き家を解体すれば解決するかも!」
このように思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実は建物があることによって、土地にかかる固定資産税は減額されています。
そのため、建物を解体してしまうとかえって費用が掛かってしまうこともあるので、要注意です。
空き家を管理する際は、不動産を管理する責任や維持するためにかかる費用について、事前にチェックしておくことが大切です。
減築工事で管理コストを削減しよう
そこで注目したいのが、減築工事!
減築工事とは、建物の床面積を減らすための工事を指す言葉です。
固定資産税は、建物の床面積の広さによって決められるため、空き家の床面積を減らすことで、コストを安く抑えることができます!
減築工事は、使っていない部屋を取り壊したり、天井を壊して2階との間に吹き抜けを造ったり、2階部分を丸ごと撤去してしまったりと、柔軟な対応をできることが大きな魅力です。
費用は、1部屋分の減築で概ね100万から700万円、2階を撤去してしまうような大掛かりな工事だと450万から2700万円ほど必要になります。
しかし、建物の面積を減らせば今後長期的に税金を節約でき、管理にかかるコストも節約することができるでしょう。
細かな費用は家の状態によって異なりますが、長い目で見れば減築工事を行った方が、圧倒的にお得だったというパターンが非常に多いのです!
賃貸で収入を得る!一石二鳥の空き家対策法!
減築工事などのリフォームを行い、適切に整えた住宅であれば、賃貸に出して収入を得ることもできます!
空き家を賃貸に出せば、単純に賃料を得られるというだけでなく、維持コストの節約にも繋がるのが嬉しいポイントです。
よく言われることですが、住む人のいない家は劣化が早まります。
劣化が早まる原因は、気持ちの問題や昔ながらの迷信ではありません。
例えば、長年ドアや窓の開け閉めによる換気が行われないことで、部屋の空気が滞留し、カビが発生することがあります。
このようなトラブルは、建材の腐食や劣化が起きやすくなる原因につながっているのです。
また、空き家を長期に渡って放置していると、外観にも劣化が見られます。
荒れている土地は、トラブルを招きやすいもので、不審者が入り込んでしまうようなリスクも上がります。
そのため、防犯面においても空き家を放置しておくのは、得策ではないのです。
このように、空き家を改修して賃貸に出すという選択肢は、収入だけでなく、さまざまな面において非常に有効なコストカット手段といえるのです!
まとめ
今回は、空き家の減築工事についてご紹介させていただきましたが、いかがだったでしょうか。
空き家は年々増えており、空き家の管理や処理について、悩んでいる方は非常に多くいらっしゃいます。
故人が残した思い出深いお家を造り変えることに、抵抗がある方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、家は誰も住まなければ自然のままに朽ちていってしまいます。
そんなときは、減築工事やリフォームを行うことで、一度役目を終えた住宅にまた新しい役割と命を与えることができるのです!
大切な思い出のある住宅だからこそ、減築工事やそれに伴う賃貸などの管理を、検討されてみてはいかがでしょうか?