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床暖房の基本をおさえよう
それではまず、床暖房の基本的な特徴を紹介します。
床暖房はリフォームで設置可能
床暖房は一戸建てでも、鉄筋コンクリート造のマンションでもリフォームで設置することができます。しかし、設置できる床暖房の種類は建物の状況によって限られます。リフォームに適した床暖房の種類を知っておきましょう。
リフォームでは、床暖房を施工する部分と施工しない部分で床の段差が生じてしまうことがあります。その段差を最小限に抑えられることを優先して種類を選ぶケースが多いです。注意が必要なのは、床面のリフォームになるため工事期間中は施工している部屋は使用できません。工事期間中の生活スペースをどのようにするか、十分に考慮して工事計画を立てていきましょう。
床暖房の種類は主に2種類
床暖房の種類は電気式と温水式の2種類に分けられます。電気ヒーター式の床暖房は厚さ1㎜未満の薄いマットが熱源となるため、床段差を最小限に抑えられ、リフォームに人気です。初期費用も安くおさえられます。
一方、温水式の床暖房は床下に熱源となる温水を流すパイプが必要なため床段差が生じてしまい、リフォームでは敬遠されがち。しかし最近では既存の床上に施工できる商品もあり、リフォームでも使用するケースが増えてきました。温水式床暖房は部屋全体が暖まるため、リフォームの満足度はかなり期待できます。この2種類の特徴については、次の章で詳しくご紹介しますね。
電気式床暖房 | 温水式床暖房 |
床下断熱と床暖房の違い
床下断熱と床暖房は混同されがちですが、まったく異なるものです。
床下断熱は、床下から冷気が上がってこないように「断熱材」と入れること。フローリングの下に発泡スチロールが敷いてあるようなイメージです。冷気は防げますが、温める機能はありません。
一方、床暖暖房は床下に熱を伝え、室温や体感を温める機能があります。フローリングの下に床暖房パネルを敷き詰めます。その熱が十分に発揮できるよう、床暖房パネルの下には断熱材が必要です。暖かい熱が床下に逃げないようにするためです。そのため床暖房のリフォームでは、既存の状況に応じて床下断熱の工事を一緒に提案することがあります。
床材はどんな物を選ばばいい?
床暖房のリフォームをする場合は、どんな床の仕上げ材を選べばいいのでしょうか。結論から言えばフローリング、コルクタイル、大理石、タイル、畳など幅広い床材が選択可能です。
ビニール系の床材はあまり適していません。フローリングやコルクタイル、畳などは床暖房に対応しているもの、していないものがあります。事前にカタログなどで床暖房に対応しているか確認してから選びましょう。床暖房対応のフローリングは熱や乾燥に強く、効率的に熱を床表面に伝える加工がされています。無垢材のフローリング材は熱による反りや割れが生じやすいといわれていましたが、床暖房の人気を背景に対応できる無垢フローリング材も開発されています。
電気式床暖房の特徴
電気式床暖房と温水式床暖房の違いについて紹介します。まずは電気式の特徴についてです。
電熱線式、蓄熱式、PTCヒーター式がある
電気式床暖房は電気で発熱するパネルを床下に設置します。発熱の方法は「電熱線式」「蓄熱式」「PTCヒーター式」の3種類がありますので違いを理解しておきましょう。
電熱線式はスイッチを付けたら発熱する厚さ1㎜未満の電熱パネルを床材の下に設置します。施工が簡単でリフォームに最適です。またキッチンや洗面所など部分的に床暖房を施工したい場合にも適しています。
次に蓄熱式は、深夜電力を利用して暖房装置に蓄熱をし、日中に放熱する仕組みの床暖房です。冬の間は常に部屋を暖かくできるので、寒い地域では人気があります。それ以外の地域でも室内にいる時間が多い場合にもおすすめのシステムです。しかし、設置するのに大掛かりな工事が必要なため、リフォームでは適していません。
最後にPTCヒーター式。形状は電熱線式と似ていますが、省エネ効果を高めた自動温度調整機能があるのが特長です。寒い部分は発熱し、太陽の光などで温まった部分は自動で発熱を制限してくれます。暖房マットに温度センサーがついて、自ら温度調整をして省エネしてくれるのです。こうした優秀な機能を理由に、PTCヒーターの普及は年々高まり価格も安定しています。電熱線式と同様に、厚み1㎜未満のマットでリフォームに適していますよ。
メリット
電気式床暖房のメリットは設置費用が安いことです。電熱線式とPTCヒーター式は、工事がシンプルでリフォーム費用もおさえられます。既存の床材の上に厚さ1㎜未満のヒーターパネルを敷き、その上に新しいフローリングを重ね張りするだけです。シンプルな工法なので、洗面所やトイレなど小さいスペースのリフォームも気軽にできますし、工期も短くすみますね。また、電気式床暖房は一度設置したらメンテナンスフリーで安心して使い続けられるのもメリットです。経年劣化による故障もごくわずかです。
デメリット
電気式床暖房のデメリットは温水式と比べてランニングコストが高いことです。冬のシーズン中、毎日長時間使用する家庭には不向きといえます。ただし、蓄熱式床暖房の場合は日中ずっと放熱する仕組みがシーズン中続くので、毎日長時間使用する場合にはぴったりです。もう一つのデメリットは立ち上がりの時間が遅いことです。全体が温まるのは目安として30分くらいかかります。
温水式床暖房の特徴
温水式床暖房の特長についても紹介します。電気式と比較してみましょう。
ガス、石油、ヒートポンプ式がある
温水式床暖房は床下に水を流すパイプがあり、その水を温水にすることで床面を温めてくれます。パイプの中の水を温める熱源は「ガス」「石油」「ヒートポンプ」の3種類があります。
ガス式はガスの力で床暖房マットの水を温水にするシステムです。ガスは身近な存在なのでイメージもしやすいですね。床暖房の熱源機は屋外に設置します。熱源機はガス給湯器に温水式暖房の機能がついて1台になったタイプと、床暖房専用の独立したタイプがあります。リフォームで床暖房を設置する場合は、床暖房用の独立した熱源機を設置するケースが多いです。
石油式は、床暖房専用の灯油ボイラーを使って温水を作るシステムです。ワンフロアすべてなどといった広い面積でも対応できるのがメリットです。リビングだけに床暖房を設置するケースでは採用しないことがほとんどです。
最後にヒートポンプ式の温水床暖房です。ヒートポンプという言葉は、エアコンや冷蔵庫でも使用されている技術なので耳にしたことはあるかと思います。少ないエネルギーで空気中の熱をかき集めて、大きな熱エネルギーにする技術を床暖房に利用しています。そのためランニングコストがガス温水式の約半分とお得です。CO2の排出量もガスの約半分とエコなので、今後の人気に注目です。エアコンの室外機のような床暖房ユニットを屋外に設置します。
メリット
温水式床暖房のメリットは、部屋全体が暖まるのが電気式と比べて早いことです。温水式床暖房を作動させれば、エアコンやストーブなどの暖房器具を使用しないでも部屋が暖かくなります。床暖房マットの温水は、スイッチを切ってもしばらく暖かいため、余熱が残りやすいのもポイント。また、電気式と比べてランニングコストが安いのも人気の一つです。長時間床暖房を使用したい人にはぴったりです。
デメリット
温水式床暖房のデメリットは、熱源機を使用するため屋外に設置スペースが必要なことと、熱源機のメンテナンスが必要なことです。熱源機は給湯器のように10年前後で交換が必要となります。リフォームにおいては、床下に厚みのある温水マットを敷くため、大掛かりな工事が必要でした。しかし、近年では既存の床の上に設置できる床材一体型の温水式床暖房が登場し、リフォームでの普及も高まっています。
まとめ
足元からじんわりと暖まる床暖房。快適な暮らしには欠かせない人気の暖房装置です。床暖房をリフォームで設置するのは大変と思われがちですが、リフォームに適した床暖房の種類は数多く存在します。それぞれのメリット・デメリットを参考に、ご自宅のリフォームにも床暖房を取り入れてみてはいかがでしょうか。快適な冬を迎えられますよ。
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